前回は、「4つの部品のそれぞれの役割」についての話をしました。
最終回は、各部品の選び方について説明していきます。
おさらい:「4つの部品」の選び方
前回で比較した2つのパソコンですが、違いを挙げたのは以下の4部品でした。
- CPUは「頭脳」
- ストレージは「本棚」
- メモリは「机」
- グラフィックボードは「画像処理」
今回は、この各部品の差をどうやって見分けるのかを解説します。
なお、最初の説明は ”CPU” からですが、いきなり「最初で最大の関門」になります。
なかなか理解が追いつかない事もありますが、ここさえ解ってしまえばあとは何て事はないです。
パソコンの中身と各部品の見分け方
デスクトップパソコンの中身は、おおよそこんな感じになっています。
マザーボードを母体にして、各部品が搭載されています。
出典:Gakken キッズネット
【補足】
- 「ハードディスクドライブ」=「ストレージ」です。
- 「メインメモリ」=「メモリ」で、この図ではメモリが2枚搭載されています。
- 冷却ファンの左側の部品が「グラフィックボード」と考えてください。
(マザーボードに対し、垂直に搭載されている緑色の板)
ざっくりと「こういう感じで部品が詰まっているんだな~」程度の理解で良いです。
では、各部品の見分け方を説明していきます。
「CPU」の見分け方
CPUは「パソコンの頭脳部」と呼ばれる部品で、CPUでパソコンの性能(速さ)がほぼ決まります。
インテル社には「Core i シリーズ」というCPUがあり、今のパソコンはこのCPUが搭載されている事が多いです。
Core iシリーズには、「世代」と「グレード」が存在します。
発売年 → | 2016 | 2017 | 2018 | 2020 | 2021 | 2021後半 |
世代 → | 第7世代 | 第8世代 | 第9世代 | 第10世代 | 第11世代 | 第12世代 |
グレード | ー | ー | Core i9 | Core i9 | Core i9 | Core i9 |
↓ | Core i7 | Core i7 | Core i7 | Core i7 | Core i7 | Core i7 |
Core i5 | Core i5 | Core i5 | Core i5 | Core i5 | Core i5 | |
Core i3 | Core i3 | Core i3 | Core i3 | Core i3 | Core i3 |
・世代が上がると、前世代のものは必然的に価格が下がります。
・グレードは「Core i3 → Core i5 → Core i7 → Core i9」の順で、性能と値段が高いです。
またインテル社のCPUは”Core i”以外にも別の「シリーズ」があります。
- Pentium(ペンティアム)シリーズ
- Celeron (セレロン)シリーズ
などで、「Celeron → Pentium → Core i」の順で、性能と値段が高いです。
CPUはもっと細かな種類がありますが、ここではざっくり説明しました。
「シリーズ」「世代」「グレード」がある事を意識して頂ければと思います。
安いものは安いなりの理由があります。
「激安パソコン!お買い得!定価の〇万円引き!」などの広告にすぐに飛びつくと、ずいぶん前の世代のもの(売れ残り)だったりします。
【まとめ】(インテル社の場合)
- 世代が新しいほど、性能と価格が高い。
- シリーズは「Celeron → Pentium → Core i」の順で性能と価格が高い。
- グレードは「Core i3 → Core i5 → Core i7 → Core i9」の順で性能と価格が高い。
ちなみに、比べて性能が劣るというだけで、粗悪なパソコンという訳では決してありません。
僕もCeleronパソコンを愛用してますし、性能に納得し、自分の用途にあったCPUを選択する事が大事です。
確かに、高性能なCPUは早くて良いのですが、ネットやWord、Excelだけに使うのは明らかに性能を持て余してますよね。それなら、その分のお金を別の活動資金にまわせば良いという考えです。
ちなみに僕のPCは、
- デスクトップ「第8世代 Core i5」(2018年購入)
・動画の編集は動作が少し重いですが、編集できない事はないです。
・最近、Windows10 → 11にアップしましたが、動作が重かったので10に戻しました。
・それ以外は毎日重宝しており、ブログ編集・写真の編集は問題ないです。
・新品本体のみ(モニター別)で75,000円ぐらいでした。
Windows10サポート終了(2025年10月14日)までには買い替えかなと思っています。 - ノート「Celeron G4900」(2018年購入)
・外出でのWeb、Youtube視聴、ブログ編集で使っています。動画編集は無理です。
・11.6型(A4サイズより少し小さい)、新品で3,5000円とお買い得でした。
・外出・旅行先ではすごく重宝しています。
こちらも、Windows10サポート終了までには買い替えかなと思っています。
「ストレージ」の見分け方
ストレージは、「保存容量」と「読み書きの速さ」がポイントです。
当然ながら、保存容量が大きく、読み書きの速さが高ければ値段も高くなります。
でも、昔のハードディスクに比べたら、SSDは十分に速いんですよね。
特別の処理がなければ「保存容量」だけで選んでも問題ないと思います。
ちなみに、僕のデスクトップPCの”SSDの容量”は「240GB」です。
動画ファイルの容量が大きいので「500GB」ぐらいあってもよかったかも知れません。
動画がなければ「240GB」ぐらいで十分でした。
「メモリ」の見分け方
メモリカードは、大体のPCは「カードを2枚」搭載できるものが多いです。
合計メモリが「16GB」というと「8GB×2枚」という感じです。
メモリは後から増設する作業は比較的簡単なのですが、そこまで高い部品でもないので、最初から1枚追加していても良いかなと個人的には思います。
ストレージと同じで、容量が余り過ぎても意味は無いですが「仕事机はある程度大きい方が使いやすい」という考えです。
グラフィックボード
出典:ヨドバシ.com
最後は「グラフィックボード」です。
元からマザーボードに搭載されている(オンボード)ものも多いので、必ずしも購入が必須の部品ではありませんが、
- 動画編集をストレスなく行いたい方
- 3DゲームやVRをストレス無く遊びたい方
など、映像系に高速・高画質を求められる方は、後付けで購入しても良いかと思います。
通常使う上では、マザーボードに元々載っているもので十分かと思います。
グラフィックボードには、「CPU(GPU)」と「メモリ」が搭載されており、性能に比例して価格が高くなります。
部品選びの”コツ”がつかめましたか?
以上が、4つの部品の選び方の基準になります。
それでも「自分がどういう性能のパソコンを購入すれば良いか?」が分からない部分もあると思いますが、この4部品の違いを知るだけでも、パソコンの見方が変わってきたはずです。
デスクトップにするかノートにするかに始まり、本体の大きさ、CPUの種類、メモリ容量、ストレージ容量を確認し、お財布とも相談しながら決めてみてください。
よくわからないままパソコンを買ってしまい事が無いよう、有意義なパソコン選びが行える事を願っています。
では、また次回に。
関連情報
関連サイト | ・Gakken キッズネット ・パソコン工房 ・ヨドバシ.com |
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